のし紙に使われる「のし」とは
家族や親戚といった身内の中で結婚や出産といった慶事のお祝いを内祝いといいますが、その時に幸せのお裾分けとして贈り物を送る習慣があります。またお祝いへのお返しも内祝いと呼びますが、そういったフォーマルな贈答品には「のし紙」を付けるのがマナーです。「のし」とは、のし紙の中央右上にある細長い六角形の形をしたもののことです。元々の形は薄く伸ばした鮑であり、熨斗鮑(のしあわび)と呼んで縁起物として贈り物に添えて渡していたことが由来となっています。現在では本物の熨斗鮑の代わりにデザイン化された「のし」と「のし紙」に欠かせない水引をプリントした「印刷のし」を使用するのが一般的であり、簡略化されたデザインの「印刷のし」が広く普及しています。
内祝いによって「のし紙」を使い分ける
内祝いを贈るときは、のし紙をつけるのが昔からのしきたりです。注意しなければならないのが、のしを使用するのは慶事のみであり弔事にはつけないのがマナーです。また内祝いの内容によって、選ぶ水引の種類が異なる点も気をつけなければなりません。出産や進学など何度あっても良いお祝い事の内祝いでは、結び目がほどけてしまってもまた結びなおせるという意味を持つ「紅白蝶結び」の水引の「のし紙」がよく使われています。結婚など繰り返さないほうが良いお祝い事には、紅白の5本1組になっている水引で「結び切り(10本)」を使用します。結婚は何度も繰り返すことが望ましくない慶事のため、一度結んでしまうとほどくのが難しいことから「結び切り」が選ばれているのです。